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中国で大流行した「手足口病」のこと、教えてください

質問先日、信濃毎日新聞の記事で、中国で手足口病が大流行して、乳幼児が結構亡くなったという記事を読みました。手足口病って、うちの子もかかったことがありますが、亡くなるくらい重症になる病気なのですか? 中国ではなぜ、たくさんの子どもが亡くなってしまったのでしょう。日本では予防接種をいろいろしているから、そんなに重症化しないのでしょうか?(松本市/いつもにこにこママ)

答え手足口病はその名の通り、手足と口の中に発疹が出るウイルス性の病気で、ほとんどの場合は皮膚症状(手足や口に水すいほ疱うのような発疹がたくさん出る)と軽度の発熱(平熱~38℃前後で1、2日間)程度で済みます。風邪などと同じように飛ひまつ沫(唾)感染で、潜伏期(感染してから症状が出るまで)は3~6日程度です。

手足口病の原因となるウイルスは一つではなく、コクサッキーウイルス、エンテロウイルスなど複数存在します。そのうちエンテロウイルス71(EV71)というタイプのウイルスは、その他のウイルスに比べて髄膜炎や脊髄炎、脳幹脳炎など、中枢神経系の合併症を起こしやすい傾向があります。

1990年代後半から2000年代前半にかけて、東南アジアを中心に中枢神経系の合併症を起こすケースが多数見られ、1998年に台湾でEV71による手足口病の流行があった際に、脳幹脳炎で多数の死亡例が出たことがあります。日本でも当時死亡例の報告がありましたが、2001年以降は神経系合併症の報告は少ないようです。

今回中国で流行した手足口病はこのEV71によるもので、そのためこのような重度の合併症による死亡者が多かったと考えられています。日本でも以前からEV71の流行は時々見られていて、インフルエンザのように社会問題になるほど死亡例が多発したことはまだありませんが、県単位での流行、多発例の報告はあります。

今シーズンも、国内の手足口病の患者さんの中でEV71が検出されている方がいるようですが、中国と日本の重症例の頻度の差が何によるものなのかは、流行ウイルスの割合や育児環境、医療事情、人種(体質等)など異なる要因があるので、明確にするのは難しいと思います。予防接種に関しては、手足口病そのものに対するものはなく、中国でも通常の予防接種はおこなわれているでしょうし、特定のウイルス以外には効果がないため、日本でいろいろ接種しているから重症化が少ないということはないと思われます。

重症な合併症は5歳以下の乳幼児に多く、発疹の出現から2~4日後に生じているようですので、その間はあまり無理をせず、家で様子を見るようにしましょう。

最後に一言。小さいうちに罹かかったほうがいいからといって、水ぼうそうやおたふくかぜに罹っているお子さんのところに、わざわざ病気をもらいに我が子を連れて行かれるお母さんの話を何度か聞いたことがありますが、これらの病気も手足口病と同じく、ごく稀まれにですが脳炎や髄膜炎、難聴など、重症の中枢神経合併症を起こして危険な状態に陥ったり後遺症を残したりすることがあります。万が一そうなった場合、もらった人もあげた人もお互い不幸になりますので、わざわざもらいに行くという行為はあまりいい方法ではないと思われます。誰のせいでもなく不可抗力的に感染するか、そうでなければ(お金はかかりますが)予防接種するかのどちらかを選んでください。

ご回答頂く先生

宮林麻里先生
小児科医師。みやばやしこどもクリニック(松本市島立)院長。一般小児科のほかに、発育・発達相談や心身症にも心血を注がれる。松本市在住、お子さん3 人のママ。趣味はバドミントンと料理。

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